日本語教育における複合動詞の 体系的な指導・学習に向けて -韓国人日本語学習者への連語による「∼出す」の調査から-
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本稿では、日本語教育において複合動詞(動詞+動詞型)の体系的な指導・学習を行うための基礎的な研究として、「~出す」を取り上げて調査をし、その結果をもとに日本語教育への提案を行った。調査は、研究課題1)学習者は「出す」のどのような意味・用法を知っているか、研究課題2)「~出す」のうち、使用につながりにくいのはどのような語か、という2つの課題を設定し、調査協力者にそれぞれ連語単位での産出を求めた。その結果、以下のことが分かった。・中級後半以降の学習者には、基本義以外の「出す」の意味・用法に関する知識があり、その知識を利用した「~出す」の指導・学習は可能である。(研究課題1から)・「使用につながりにくい」と判断された語は、①「開始」のアスペクトの用法と解釈され易い語、②「~出す」の意味は漠然と理解していると思われるが、産出された連語に問題があるもの、③前項、後項個々の動詞は知っていても、そこからは複合動詞全体の意味がわかりにくい語であった。(研究課題2から)以上の結果をもとに、次の点を指導・学習に向け提案した。・複合動詞の体系的な指導・学習は中級後半以降に開始する。・指導・学習する語の配列は、語義間の意味的なつながりを利用したものにする。例えば、「~出す」の場合、【移動】⇒【移動・顕在化】⇒【顕在化】のようにする。・実際の指導・学習では、以下のことを学習者に示す。①どのような種類の語群に接する時にそのような意味になるのか、前項となる動詞のグループを示す。②①の前項動詞グループの示し方は、最初から複合動詞を見せて分析的に行うのではなく、複合動詞が使われる状況や場面を見せ、既知の動詞を組み合わせて表現させる、「名づけ」的な方法がよい。③複合動詞の指導・学習には抽象的なところ(意味・用法の理解)だけでなく、具体的なもの(使い方、例えば連語の提示)が必要である。④前項動詞と後項動詞の意味から複合動詞全体の意味が出て来にくい語については、一通り意味・用法を学んだ後にまとめて指導・学習するのがよい。その際も複合動詞を分析的に指導・学習するのは避けた方がよい。
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