日本語作文調査に基づく韓国人日本語学習者の複合動詞「~込む」の運用能力について
To which extent do Korean learners of Japanese understand Japanese―komu compound verbs? ―An analysis of the Japanese sentence production task―
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日本語のコミュニケーションにおいて複合動詞は単純動詞と並ぶ重要性を持つが,日本語教育の分野では十分扱われておらず,学習者にとって困難な学習項目の1つである。本稿では,日本語学習者の複合動詞の運用能力の実態を探る。具体的には高頻度な「~込む」型複合動詞上位24語を取り上げ,日本語作文テスト調査を用い,韓国人学習者の運用能力について記述的分析を試みた。その結果,全体の正答率は41.43%であり,「~込む」型複合動詞が韓国人学習者に十分には定着していないことが分かった。また,「~込む」型複合動詞には直義的意味と比喩的意味が存在するが,いずれのタイプにおいても正答率は50%未満で正確な理解が不足していることが明らかになった。高正答率語は,プロトタイプ的意味と関連する語であった。一方,低正答率語について誤用例を分析したところ,「前項動詞≒前項動詞+込む」と捉えることによる「~込む」の過剰使用,前項動詞と「~込む」の結合条件や「~込む」の意味知識の理解不足といった学習者の傾向が見られた。また,相関分析により学習期間と「~込む」型複合動詞の定着度はあまり関係していないことが明らかになり,教育必要性が示唆された。これに対し,日本語能力レベルと「~込む」型複合動詞の定着度の間には中程度の相関が確認された。そこで,教育現場での応用を考え,学習者の日本語能力レベルが分かればその学習者の「~込む」型複合動詞の理解度を推定できる回帰式を導出した。複合動詞の習得状況に関する実態調査があまり行われていない現状の中,韓国人日本語学習者を対象にした日本語作文テストから得られた以上の知見は,日本語教育現場で学習者に複合動詞を指導する際,有効な手がかりになると考えられる。
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