多文化共生のための言語調整行動一考
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초록
本稿は、接触場面初対面会話における談話展開を検証し、参加者双方の発話から言語調整行動を分析・考察したものである。本研究のねらいは、従来の固定化された「接触場面」「参加者」「言語調整行動」の定義を改め、多文化共生時代の接触場面参加者(日本語使用者)に必要なコミュニケーション・ストラテジーとして言語調整行動の新たな可能性を模索することである。具体的には、多様化した多文化環境で必要な知識・情報として日本語教育現場に「言語調整行動」を取り入れ、非母語話者のみならず、日本語使用者相互の学習・習得を提案することである。本調査では、日本国内の現職非母語話者日本語教師NNT15人を調査対象者とし た。NNTは、会話協力者である日本語母語話者NS6人および非母語話者、初級日本語学習者JL7人と、条件統制された環境下で、二者間および三者間の接触場面初対面会話を行った。会話データ(計3回:15人×30分=450分)は全て文字化し、調査項目のコーディングを行った。その結果、話題導入․選択に関して、5つの項目が抽出された。本稿では、上記項目から主に「話題内容」を中心に、使用傾向と特徴を分析、考察した。また、接触場面初対面会話の話題導入․選択時に用いられた「言語調整行動」を、「自己開示と関係形成」という側面から母語場面会話と比較し、類似․相違を検証した。調査結果、接触場面初対面会話における「話題」のカテゴリーとして、「あいさつ」「自己紹介」「共通知人」「仕事関係」「日本語」「研究関連」の7つの下位項目が見いだされた。特に、本調査参加者間では、「日本語」が大きなウェイトを占めていた。今後、接触場面の「言語調整行動」を、日本語母語話者や既得・既習者だけではなく、会話参加者だれもが使えるコミュニケーション・ストラテジーとして大きく捉えなおし、実践現場への応用を含めて、非母語話者・学習者にも使用可能なストラテジーを模索する必要があると考える。
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