朝鮮時代の日本語學習書のタ行オ段拗長音表記について
On the notation of the glid +long vowel- /tyoR/ that appear in Japanese learning books of the Choseon Period
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.朝鮮時代の日本語学習書のꡔ捷解新語ꡕ原刊本․改修本․重刊本․ꡔ方言集釈ꡕ․ꡔ倭語類解ꡕに於けるタ行オ段拗長音に対するハングル表記には「tjo-'u」と「cjo-'u」の二様の音注が施され、タ行オ段拗長音のt口蓋化と関連して注目されてきた。しかし、それらが日本語のどのような音を表したものであるかについては、今なお定説を見ず、議論の余地を残している。 従來朝鮮時代の日本語学習書のハングル表記「tjo-'u」と「cjo-'u」については、様々な解釈が加えられてきたが、大きく次のように三分して考えられる。(A)森田武……ロドリゲスが、 「chȏ、giȏはcに少し触れてTDに発音すべきだ」とした記述のTDはꡔ捷解新語ꡕ原刊本の 「tjo-'u」と関連があるのではないかと推論している。(B)安田章……ꡔ捷解新語ꡕ原刊本及びꡔ倭語類解ꡕの「tjo-'u」․「cjo-'u」に対しては森田武と概ね意見を同じくしているものの、ꡔ捷解新語ꡕ重刊本においては仮名遣に関係づけて解釈している。(C)亀井孝․杉戸清樹……ꡔ捷解新語ꡕ原刊本の「tjo-'u」․「cjo-'u」は、日本語のタ行オ段拗長音の発音が反映されたものと考えるより、韓国語のt口蓋化現象の影響によるものと考えたほうが良いという立場を取っている。しかし、(B)の場合はꡔ捷解新語ꡕ原刊本․改修本․重刊本․ꡔ方言集釈ꡕ․ꡔ倭語類解ꡕを一貫する「tjo-'u」․「cjo-'u」表記に複数の解釈を加えるという論理的欠点を有しており、(C)の場合もꡔ捷解新語ꡕ原刊本当時までの韓国語のt口蓋化は非常に弱かったことを考え合わせれば、やはり問題になる。(A)の場合は「tjo-'u」表記が「テウ」に集中していることを日本語の史的変遷と結びつけて考えられなかったという限界が認められる。 本稿はこの問題について、ロドリゲスの記述、タ行オ段拗長音の長音化及びt口蓋化過程、韓国語のt口蓋化等を視野に入れながら、総合的な考察を行ったものである。考察の結果として、朝鮮時代の日本語学習書に現れる「tjo-'u」․「cjo-'u」表記は、韓国語のt口蓋化の干渉によるものと考えるより、タ行オ段拗長音[tʃo:]の前段階の音声を反映したものと考えた方が穏当ではないかと考えられる。朝鮮時代の日本語学習書の「tjo-'u」表記を、タ行オ段拗長音[tʃo:]の前段階の音声を反映したものと考えるならば、そこからは従來明らかにされていなかったタ行オ段拗長音の史的流れの一面がわかる。
참고문헌 (9)
- "「壬辰亂直前의 国語史資料에 관한 二三問題에 관하여」" (1972)
- "新訂版国語史概説" (1998), 太学社
- "「口蓋音化現象의 史的考察」" (1974)
- "ꡔ国語研究 어디까지 왔나ꡕ 東亜出版社" (1990)
- "ꡔ日本語 論究2ꡕ1 和泉書院" (1992)
- "外国資料を中心とする沖縄語の音声音韻に関する歴史的 研究" (1997), 武蔵野書院
- "ꡔ三本対照捷解新語釈文索引解題編ꡕ京都大学国文 学会" (1973)
- "ꡔ三本対照捷解新語釈文索引解題 編ꡕ1京 都大学国文学会" (1973)
- "捷解新語ꡕのエ段音表記について─原刊本の「-ji」「-j」表記を 中心として─", pp.261~ (2004), 広島大学教育学研究科紀要
