日中韓3言語における漢字ㆍ漢語の代用表記について
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초록
かつて漢字という文字体系を共有し、数多くの同形の漢語を使用していた日中韓3言語には、漢字そのものの特質から自然発生した仮借や避諱という社会的慣習によって生まれた代用表記、近現代の各国で独自に行われた言語政策による書きかえなど、性格を異にする種々の代用表記が存在する。本稿では、様々な原因により発生し、また言語ごとに異なる方向に発展してきた漢字・漢語の書きかえを対象に、その成立背景や各国における変遷過程、その結果生み出された言語間の違いなどについて考察を行い、3言語において代用表記が持つ役割と意味について考えてみた。 古くから仮借を含む様々な簡略字体が俗字として通用されてきた中国では、漢字簡略化の有力な方法として同音の漢字による書きかえが再び注目され大いに活用された結果、現代中国で使用される漢字の筆画の簡略化・字形の規範化に一定の効果をもたらした。主に漢字という文字レベルで行われてきた中国の書きかえと異なり、日本においては、一般社会で使用される漢字の字種・字数の制限によって書き表せなくなった漢語の書きかえに焦点が当てられ、主に単語レベルの代用表記が行われてきた。一方、早くも表音化の道を選び、ハングル一本になりつつある韓国では、文字体系としての漢字使用に制限が行われたため、漢字そのものを別の漢字に書きかえることなどは行われず、漢字への依存度が高い日中両言語と大いに異なる様相を呈している。 当然のことながら、このような代用表記の出発点や方向性、対象、方法の違いは、言語ごとに異なる語形や言語別に意味・用法上の違いを持つ同形語、他言語に伝わり一定の影響を与えた新しい語形など、性格を異にする様々な代用表記を生み出したが、このような同音の漢字による書きかえは、今後も各国で独自に発展していき、3言語間の距離を遠ざける要因の一つとして働くことになると考えられる。
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