オノマトペにおける意味分化と派生形式制約
A study on the diversification of meaning and the restrictionof derivation form in Japanese onomatopoeoa
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Abstract
小稿は、オノマトペの意味分化によって、その派生形式において制約が現れる場合があることに注目し、意味分化による派生形式の様相について考察を行ったものである。オノマトペは、個別単語の内部において、多様な意味を持つことができ、一つのオノマトペが、「音」から「物の様子」、また、「比喩表現」という異なる次元の物事を表している。この場合、意味分化によって、その派生形式においても、相違点が現れる。まず、「からから」「がらがら」の場合、「音」を表す時は「∅」․「と」型、その他は「に」型として用いられる。たとえば、「からから」の場合は「乾いている様子」を表す時は「に」型、「がらがら」の場合は、「すいている様子」を表す時は「に」型として用いられる。 また、「ばらばら」「ぱらぱら」「ぼろぼろ」「ぽろぽろ」は、意味によって、「と」型と「に」型が共存する場合がある。たとえば、「ばらばら」「ぱらぱら」は「物事が乱れている、散らばっている様子」を表す時は、「と」․「に」両型として用いられている。ただ、その用例数においては「と」型よりは「に」型のほうが優勢である。これに対して、「物が落ちる音、様子」「本をめくる様子」の場合は、「∅」․「と」型として用いられる。 さらに、「∅」․「と」型と「する」型において制約を持つ場合がある。「はらはら」の場合は、「物が落ちる様子」の場合は「∅」․「と」型として、「心配する様子」の場合は「する」型として用いられる。 以上のように、オノマトペは、「音」から「物の様子」、また、「比喩表現」という異なる意味領域に属する場合、その派生形式において相違点が現れる。この際、「音」の場合は「∅」․「と」型として用いられており、「物の様子」の場合、「具体的な動作描写」は「∅」․「と」型として、「状態描写」は多様な派生形式として用いられる。また、比喩的な表現の場合も、多様な派生形式として現れる。つまり、オノマトペは「音」「具体的な動作描写」の場合は、その派生形式と用法において制約が現れるが、意味が分化され、抽象的な意味になると多様な派生形式と用法が可能になるのである。すなわち、「音」「具体的な動作描写」の場合は、一般語と異なるオノマトペ独特の意味․用法であるが、「状態描写」「比喩表現」の場合は、一般語と同等の意味․用法であると言える。
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