近世日本語における「-的」の用法の成立 - 中国俗語文学の影響を中心に -
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초록
「-的」は,白話小説など中国俗語文学の影響によって近世末期から日本語に現れ始めたと言われている。そこで本論文では,中国俗語文学の「-的」の用法がどのように近世日本語の「-的」の用法に影響を与えたか,その具体的な様相を把握するために考察を行った。まず,近世・近代日本語にみえる実際の「-的」の用法における形態論的・統語論的な分類基準を中国俗語文学に投影させて,近世において中国俗語文学の「-的」をどのように認識・解釈したかに関して考察した。続いて,中国俗語文学における「-的」の用法がいかなるものであって,またその影響によって導入された「-的」はどのように変遷していたか通時的に考察した。その結果,中国俗語文学の「-的」の用法に対する近世日本での統語論的な認識・解釈を基盤として「-的」が日本語に導入されたことが分かった。その際,近世和文には新しい用法が派生されたが,例えば中国俗語文学の「-的」の用法に加えて,述定用法のような文における統語論的な側面での「-的」の用法も,もう一つの用法として認識・解釈されて新しく見られるようになった。また,和文では「-的」のみでその統語論的な意味と機能を表すことは容易ではなかったため,「-的」に文法表示として送り仮名を付することによって日本語化(導入)した。またその際にして,「-的」の語基として固有名詞を含む名詞(体言)を許容するなど,その語基における拡張も同時に行われた。最後に,中国俗語文学のその他・名詞用法の場合に人を表す用法(~する人・~である人)に加えて,近世日本語の「-的」には物・ことを表す用法(~すること・~である物)が多く見られるなど,用法の傾向においても変化が見られて,「-的」の語性においても変化が行われたことが確認できた。
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