金石範文学とその政治的背景
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植民地期日本において、朝鮮人は日本のプロレタリア、共産主義者の影響を受け協力した。日本共産党の影響など、戦前戦後の日本の情勢の考察は、在日朝鮮人文学の形成と背景について論じる際に欠かせないものであり、在日朝鮮人文学、とくに金石範の文学を理解するにも不可欠である。それは金石範の大テーマの一つが四・三事件であり、彼がこの事件について深く考えるようになった背景と関わっているからである。金石範は、共産党と組織での体験なしにこの事件にこれほど深く執着できなかったし、これを基盤としていたからこそ、『火山島』(四・三事件をテーマにした作品群)を書き上げることができたと考えられる。 金石範は在日朝鮮人として、共産党及び組織との関わりを繰り返し期待しながら上手く成しとげられなかったことに絶望感、虚無感を感じた。愛国者であれば組織に参加すべきだという当時の雰囲気の中で彼は少しためらいながらも組織に入る。そしてその組織が次第に伏魔殿に変わっていくのを観察しながら、それでも彼はどうにかして政治的かかわりを保ち続けようとする。しかし、結局彼は組織を離れることになった。 植民地と戦後の時代状況において祖国への思いを言明せずにいることは許されなかった。とくに金石範のような二世にとっては、政治活動への思いはより複雑なものであったと考えられる。また、祖国への思いが明確にされえなくても、それが心の底から湧き出たものであることも否定できない。このような祖国と組織に対する彼の錯綜した思いは作品に鮮明に表れている。 彼は表にはヒロイズムの姿勢を打ち出そうとしながら、実際に行動することはできず、むしろそこから逃げ続けていたが、唯一逃げようとしなかったのは、「ものを書く」ことであった。換言すれば、金石範は体を張って行う「実践」的政治活動からモノを書く「文学」的政治活動へ「転向」したといえるだろう。彼は自身の体に沁み込んだ「政治的なもの」を「文学」を通して表現しようとしたのではないか。
참고문헌 (13)
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