「あがる」と「のぼる」の意味拡張の様相 -認知意味論の比喩の観点から-
A Study on the Meaning Extension of「Agaru」and「Noboru」 -Based on Cognitive Linguistics
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本稿では、多義語の意味拡張には比喩が関わると考え、「上方へ移動する」という共通の意味を持つ「あがる」と「のぼる」の複数の意味の拡張を比喩の観点から分析した。また、先行研究で挙げた疑問点を考察した。「あがる」の「別義1」は、<動作主が><基点から離れ、上方の到達点に><移動する>というプロタイプ的意味である。そこから、<上方の到達点への移動>+<内部移動>(メトニミ-)、<上方の到達点への移動>+<社会的地位の変化>(メタファ-)に意味拡張する。「別義2」は、「別義1」の物理的・具体的な到達点という意味特徴が弱くなり、<動作主が><基点から離れ、上方に><移動する>(シネクドキ-)という意味である。そこから、<事物の一部分の上方移動>(メタファ-)、<海産物の上方移動>+<捕獲>(メトニミ-)、<数値的変化>(メタファ-)、<質的変化>(メタファ-)、<感情的変化>(メトニミ-)に意味拡張する。「別義3」は、「別義1」から<動作主が><基点から離れ、上方の到達点に><移動する><見られる>(メトニミ-)という意味に拡張する。そこから、<食物の上方の到達点への移動>+<顕在化>(メタファ-)、<情報の顕在化>+<認識>(メタファ-)、<ものごとの発生>+<上方移動>+<顕在化>(メタファ-)に意味拡張する。「別義4」は、「別義1」から<ことが><完了する>(メタファ-)に意味が拡張する。「のぼる」の「別義1」は、<動作主が><経路を辿って、上方へ><移動する>というプロタイプ的意味である。そこから<上方移動>+<社会的地位の変化>(メタファ-)、<数値的変化>+<到達>(メタファ-とメトニミ-)、<感情的変化>(メトニミ-)に意味拡張する。「別義2」は、「別義1」から<動作主が><経路を辿り、上方へ><移動する><見られる>(メトニミ-)という意味に拡張する。そこから<食物の上方移動>+<顕在化>(メタファ-)、<情報の顕在化>+<認識>(メタファ-)に意味拡張する。メタファ-とメトニミ-が現れ出る頻度はあまり差がなく、意味はプロトタイプ的意味から放射状に拡張していった。「あがる」の方が「のぼる」より様々な方向に意味拡張することが分かった。なお、「顕在化」は、動作主が上方へ移動することによって、相互作用的な焦点の地域、可視的な領域に入り、人々に見られることで、因果関係のメトニミ-に基づいて意味拡張することが分かった。「のぼる」の「昇ってゆくエレベ-タ-の箱の中で」のような例は、柴田(1976)の意味特徴に反すると思われるが、エレベ-タ-に人間としての特徴を付与する存在のメタファ-によって意味拡張すると見なされる。また、「理性的であることは上」という方向づけのメタファ-と「あがる」と「のぼる」の興奮・緊張における因果関係のメトニミ-が一貫性がないように見えるのは、比喩の基盤となる上方移動という経験が全く異なるからであるといえる。
참고문헌 (21)
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