浮舟物語の終焉 ー「あはれ」をめぐってー
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초록
本稿は、源氏物語の結末に当たる手習巻を中心に、浮舟の在り方について考えたものである。物語は浮舟の周囲に過去を回想させる登場人物を配置し、彼らの「あはれ」の感情を拒否しながら、過去の自分の人生を反芻する浮舟の姿を語っている。彼女の周辺人物として代表的な者は、妹尼や彼女の娘婿であった中将である。中将という人物は、道心を抱いている者として描かれているが、その描かれ方は道心の軽薄さを強調するものになっており、沈黙を守り続けている浮舟の姿とは対照をなしている。さらに、この中将が浮舟に対して「あはれ」の感情を訴える強引さは、過去の匂宮を彷彿させている。そこから物語は浮舟が過去を思い出してゆく過程を紡ぎ出している。浮舟は匂宮に「あはれ」の感情を抱き、それが激情に化して死に至ったことから、恋に足を踏み入れないものの、自分の身を守ってくれたはずの薫と匂宮とを対比させ、二人の価値を転換させている。そして、彼女はこうした考えの末に男性の「あはれ」、ひいては激情から逃れるために出家を実行することになる。このことは、出家が恋に死のイメージを重ね合わせている浮舟にとって生きるための道であったことを浮き彫りにしているといえよう。 浮舟を再生に導いたもう一つの要因は、妹尼に重なって追想される母中将の君に対する「あはれ」の感情である。それゆえに浮舟は死のうと思わず、出家を選択することになるのだが、しかし、出家後にはこの「あはれ」の感情が浮舟の出家生活の苦しさを予感させている。というのも、妹尼が浮舟に実母を思い起こさせればさせるほど、母に対する「あはれ」の感情は断ち切れないものになるからである。妹尼は浮舟の再生に役立つとともに、彼女の出家後の人生の困難さを暗示する人物として設定されているのである。 最後に、物語が浮舟物語全体を通して如何なることを語ろうとしたかを、次の二つの側面から分析してみた。一つ目は物語の前半部から後半部へと浮舟の人物像が変化したこと、二つ目は、最初薫によって仏教のイメージを担わされた浮舟が、自ら出家を行うことである。これらの考察を通して本稿では、この物語が人間の宗教的な救済より、生きている限り「あはれ」の感を抱え込まざるを得ない人間本然の姿を描こうし、そこから浮舟の成長を物語ろうとしていることを明らかにしている。
참고문헌 (8)
- 池田和臣, "源氏物語表現構造と水脈" (2001), 源氏物語表現構造と水脈
- 小野村洋子, "源氏物語におけるあはれの一課題", 共立女子大学紀要, 12 (1966)
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- 高田祐彦, "源氏物語の文学史" (2003), 東京大学出版会
- 原岡文子, "源氏物語の人物と表現" (2003), 翰林書房
- 丸山キヨ子, "源氏物語の探究" (1974), 風間書房
- 森一郎, "講座源氏物語の世界" (1984), 有斐閣
