上代日本語における母音融合-アクセントとの相關性を中心に-
A Study on the vowel merger in ancient Japanese- the correlation between accent and it -
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本稿は上代日本語において母音が連続する際見られる音韻現象のうち、母音融合について、複合語の接合面におけるアクセントの高さの異同という側面から検討し、両者の間に相関性があることを明らかにしたものである。確認された内容は次のようにまとめられる。 第一、先行成分の末尾音節および後接成分の冒頭音節について、アクセントの高さが等しい場合は融合が起り易い。 第二、「複合成分におけるアクセント」と「母音融合形の推定アクセント」との間に高低の配列の変化が見られない。 第三、融合形の多くはアクセントの面でもひとまとまりであることが標示されており、複合によって高音部が二カ所にわかれるような場合は母音融合が避けられる。 このような相関性は母音脱落現象にも現われ、母音融合と母音脱落がアクセントの面で共通の傾向性を持つことを示している。 母音融合が一部の語彙にしか姿を見せず、母音脱落に比べて生産的でなかったのは、母音脱落の方が本來の語形を想起しやすい方法であったためであると考えられる。 さらに、上代に見られる母音融合や脱落現象が、中古以後、一部の融合․脱落形を除いてその姿を消したが、その背景に、複合語の融合標示の手段が母音融合や脱落から、アクセントの調整に変わったことがあると考えられる。すなわち、母音音節で始まる語が複合語の後接成分にならないかぎり、融合․脱落が起り得ないという、複合の標示手段としての限界があった。語構成を明確にした上で、なおかつアクセントによる複合標示が行われる方がより有効であり、適用範囲が広かったことから、母音融合や脱落による複合標示は衰退して行ったと見なされる。
참고문헌 (2)
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