橫光利一「頭ならびに腹」のゆくえ
The significance of Yokomitsu Riichi's short story Atama narabini hara
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Abstract
本稿は、横光利一の「頭ならびに腹」という作品のもつ史的意義を、新感覚派時代以降展開する彼自身の文学的軌跡の意味と関連づけながら読み直す試みである。本稿では「頭ならびに腹」を読み直すきっかけを、「頭ならびに腹」という作品の内部から見つけ出し、それを横光の文学的軌跡及び新感覚派文学の意義とも関連づけながら捉え直した。以下、本稿での考察結果を要約してみると、次のようになる。 ①横光の新感覚派時代の出発を告げる「頭ならびに腹」は、彼自身の新感覚派 「形式」観及び新感覚派「思想」観の結節点として位置づけられること。 ② 横光自身の表現観は、「形容詞」としての直喩のもつ「文学的騒音」たる機 能に注目した考え方で理論化されていること。 ③「頭ならびに腹」の冒頭における「形容詞」(直喩)の「文学的騒音」 たる機能は、冒頭表現の象徴性だけでなく、作品全体の象徴性にも深くかか わっていること。 ④「頭ならびに腹」の冒頭とそれ以降の内容とをつなぐ「とにかく」という接 続詞、及びさらにそれにつづく「かう云ふ現象の中で、~」という表現の 中には、この作品の全体内容が一つの「現象」として展開するであろうこ とが暗示されていること。 ⑤「頭ならびに腹」の全体構造は、冒頭における「特別急行列車」の「満員の まま」の「全速力」から、結末における「空虚のまま」の「全速力」という 表現の中で説明されるのであり、特に「空虚」という言葉(に与えられる 「から」というルビづけの意味)を中心に横光の全作品を検討すると、「空 虚」という言葉が、横光文学の表現「形式」的側面だけでなく、表現「思 想」的側面までを特徴づけるキーワードの一つにもなり得ること。 以上のような考察結果を通して、本稿のテーマとして設定した「頭ならびに腹」という作品のゆくえという問題は、単に作品の中にのみ収斂され得ない様々な象徴性及び史的意義──昭和文学における横光文学の意義及び日本近代文学における新感覚派文学の意義──を内包していることが分かった。
참고문헌 (6)
- "요코미츠 리이치(橫光利一)의문체──<문장길이><문말><접속어><접 속사에 호응하는 부사>를 통하여"
- "『昭和文學硏究』第41集2000.9)"
- "『昭和文學硏究』第47集2003.9)"
- "羈絆からの自立──"
- "『昭和文學硏究』第24集1992.2"
- "國文學 解釋と鑑賞"
