「待遇コミュニケーション」の要素としての「内容(なかみ)」から見た「お・ご~いたす」の使用様相
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本稿は「内容(なかみ)」から見た「お・ご~いたす」の使用様相について、ビジネス日本語教科書の用例を資料とし、分析・考察を行ったものである。コミュニケーションにおける「人間関係」「場」「意識(きもち)」「内容(なかみ)」「形式(かたち)」の五つの要素の連動を重視する「待遇コミュニケーション」を理論的根拠としている。「お・ご~いたす」という「形式(かたち)」を用いた敬語表現の「内容(なかみ)」について分析・考察を行った。「お・ご~いたす」は「お・ご~する」と「~いたす」が合わさった敬語形式である。「お・ご~する」の動作に関係する人物を高くするという敬語的性質を持つ謙譲語Ⅰ(間接尊重語)と、「~いたす」の「相手」と「場」に対する「改まり」を表すという敬語的性質を持つ謙譲語Ⅱ(丁重語)の性質を併せ持つ敬語として位置づけされる。「お・ご~いたす」を用いた敬語表現の「内容(なかみ)」は、大きく実質的な意味の「行動」(「自分」の「行動」には「宣言」と「申し出」、「相手」の「行動」には「依頼」)「情報伝達」と、非実質的な意味の「あいさつ」に分けることができた。実質的な意味を持つ「お・ご~いたす」を用いた敬語表現の「内容(なかみ)」のなかで、「宣言」「申し出」「依頼」「情報の伝達」の実質的な意味を持つ四つのすべてに共通する「内容(なかみ)」は、「説明」であった。「宣言」「申し出」「依頼」の「行動」のすべてに共通するのは、「電話」「連絡・伝達」であることがわかった。「自分」の「行動」である「宣言」と「申し出」に共通するのは「助力」で、「自分」の「行動」である「申し出」と「相手」の「行動」である「依頼」に共通するのは「呼出」であった。まとめると、実質的な意味の「お・ご~いたす」の敬語表現の「内容(なかみ)」における使用の頻度は、説明─電話、連絡・伝達─助力・呼出、の順であった。
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