在日韓国人の言語表現に見られる韓国語語彙の使い分けとローカル言語に関わる一考察 -1940年代․1970年代․2000年代に発行された雑誌を中心に-
A Study on the Local language and Code-Switching of Korean Vocabulary by Korean residents in Japan
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在日韓国人が発行している雑誌を対象に、韓国語のカタカナ表記が使われている在日韓国人のローカル言語について探ってみた。その結果、1940年代は、過去三十六年という長い時間を以て歪められた朝鮮の歴史、文化、伝統等に対する日本人の認識を正し、これより展開されようとする政治、経済、社会の建設に貢献すること、1970年代は、韓半島の關係史、在日韓国人など、いわゆる「朝鮮問題」について在日同胞のみならず、日本人も参加し、學問的、政治的な分野において客觀的な立場での見解が交錯すること、2000年代は、在日韓国人団体を学び場とし、コリアンという自己のルーツを肯定しながら、自尊感情あふれる豊かな人間として生きていくことなど、各時代別に目的意識の下で、発行された雑誌の性格が、韓国語をそのままに表記したカタカナ表記の「使い分け」に影響されていることが明らかになった。また、2000年代の雑誌には、「学び場」の役割と自己のルーツを肯定しながら国際的な視点での交流活動の結果、祖国に関する語(ウリマルなど)、親族呼称(ハラボジなど)、韓国文化(サムルノリなど)が多く見られるのも特徴的である。このような書き方は、「朝鮮的な感情」を表すことで、ローカル言語としてある種の連帯感を生み、文化が背景にある語彙に対しては、ローカル言語の安楽さ(意訳などの表現から来る意味領域の差を無視してもよいこと)も作用しているようである。韓国で生まれ育った在日1世は、韓国の言葉や風習、感覚を忘れることはないだろう。しかし、日本で生まれ育った2․3世は日本の言葉や文化に慣れてしまった。彼らに母語としての韓国語を取り戻すことはできない。だが、母語は自民族の言語ではなく、日本語になっているにもかかわらず、アイデンティティを維持している語彙には、民族言語を使い分けていることが分かった。このように一般的ではない、限られた民族言語の使い分けが行われているのは、コリアンという自己のルーツを肯定しながら、自尊感情あふれる豊かな人間として生きていくことを目指しているローカル言語を形成した結果であろう。このようなローカル言語は忌まれる傾向にあり、衰退期にあるとも言われたが、在日韓国人2․3世が駆使している新たなローカル言語とでも言うべきものが、彼らが発行している雑誌などには増えつつあることが明らかになった。
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