韓・中・日小学校低学年国語教科書の 挿絵から見た三国の社会・文化的な価値観研究
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「国語教科書」は「その土地、その時代の価値観や理想的な人生、すなわちその国の大人が子供に託す願いが込められている」と言えるもので、その国の政治・経済的な特徴はもちろん、社会・文化的な価値観を把握するのによい資料になる。本稿では韓・中・日三国の小学校の低学年(1∼2年)国語科の教育課程を比較する一方、各国の国語科の教育目標と挿絵を関連づけ、教科書に現われた社会・文化的な価値観の違いを明らかにしようとした。まず、韓国は国語科の教育目標で「国語文化」や「民族」を表に出しており、挿絵からも1)家族中心、2)人中心、3)男中心(職業を持っているのは男)、4)伝統中心、5)親孝行強調、6)長男中心・責任強調等が読み取れ、7)女性に対する性固定観念が強いことから儒教の影響が考えられる。なお、多文化への配慮が足りない。挿絵の頻度は高いが、ぺージ当りの比重は相対的に低い。教科書の量は多いが、国語科の授業時間は少なく、国語科の比重も低いため授業負担の恐れがある。一方、日本は国語科の教育目標で「国語」以外のことについては触れておらず、言語機能以外の社会・文化的な価値観を強いていない感がある。挿絵では1)女性の性固定観念が強く、2)男中心(職業)という項目においては韓国と類似しているが、3)動物・植物の比重が高く、4)伝統よりは多文化関連の挿絵が多い。挿絵を2ページにかけて配置させるなど、挿絵のぺージ当りの比重が高い。国語科の授業時間が多く、比重も高い。反面、教科書の分量は非常に少ないが、教科書以外の実物教材の紹介が目立つ。最後に、中国は「国の文化」や「イデオロギー」を表に出しており、「詩文」などの暗唱を勧めるなど「人文的素養」を大事にしている。挿絵からは1)一人っ子中心で2)働く母親が多く、3)3世代家族中心、4)男中心(職業)、5)統治者の登場、6)少数民族などが目立つ。本文と関連のない装飾機能の挿絵が見られ、今後改善の余地がある。他に、三国は挿絵に登場する中心人物や動・植物に類似・相違点が見つかり、今後第2言語教育にも活用できると思われる。今後、語彙・本文分析とともにより細かく分析していく。また、小学校中・高学年へと研究を拡げていきたい。
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