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文化の媒介物としての動物 一犬をめぐる韓国・日本・ヨーロッパの関係一

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我々は、「人間」を「文化Jに、「動物Jを「自然」に結び付けて考えることが多い。 しかし、「人間対動物jあるいは「文化対自然Jという古くからある二項対立的な考え 方の中にも様々なグラデーションがある。ひとつのカテゴリーとして総括される「動 物Jの中にも、人間(=文化)に近いとされる霊長類などがある一方で、、人聞から遠 く離れた別のレヴェルで、生きているようにも見える動物もある。 近年は、「愛玩動物jというカテゴリーに位置づけられる動物(人間でない生命体) をはじめ、多くの動物が広い意味での「動物愛護思想」の傘下におかれてしまってい る。その結果、動物に対する見方が世界各地でひとつの尺度によって評価されて判断 されてきている。西欧にその拠点を置いてきた動物愛護思想が世界に広がっていく過 程の中で、西洋社会特非西洋社会という対立の中で優劣関係が作り上げられ、各地域 に内在する価値体系の歴史的脈絡と背景が無視されたり一般化されたりするだけでな く、非西洋社会同士が互いに与える影響が視野から追い出される傾向が見られる。 本論文では、韓国における犬食に関して争っている諸イデオロギー・価値体系など を考慮し、このような問題群を考えることにしたい。文化・価値体系の流動性・多面 性を強調し、その交流の媒介物としての動物の現代的意味を考える中で、特に自然や 動物に関するイメージや価値体系を一般化する傾向が見える動物愛護イデオロギーや、 それに反応・反発する側における立場の様々なレヴェル(行政、反対・賛成する者、 いわゆる民俗社会の視点など)の多様性を視野に入れる。

Abstract

我々は、「人間」を「文化Jに、「動物Jを「自然」に結び付けて考えることが多い。 しかし、「人間対動物jあるいは「文化対自然Jという古くからある二項対立的な考え 方の中にも様々なグラデーションがある。ひとつのカテゴリーとして総括される「動 物Jの中にも、人間(=文化)に近いとされる霊長類などがある一方で、、人聞から遠 く離れた別のレヴェルで、生きているようにも見える動物もある。 近年は、「愛玩動物jというカテゴリーに位置づけられる動物(人間でない生命体) をはじめ、多くの動物が広い意味での「動物愛護思想」の傘下におかれてしまってい る。その結果、動物に対する見方が世界各地でひとつの尺度によって評価されて判断 されてきている。西欧にその拠点を置いてきた動物愛護思想が世界に広がっていく過 程の中で、西洋社会特非西洋社会という対立の中で優劣関係が作り上げられ、各地域 に内在する価値体系の歴史的脈絡と背景が無視されたり一般化されたりするだけでな く、非西洋社会同士が互いに与える影響が視野から追い出される傾向が見られる。 本論文では、韓国における犬食に関して争っている諸イデオロギー・価値体系など を考慮し、このような問題群を考えることにしたい。文化・価値体系の流動性・多面 性を強調し、その交流の媒介物としての動物の現代的意味を考える中で、特に自然や 動物に関するイメージや価値体系を一般化する傾向が見える動物愛護イデオロギーや、 それに反応・反発する側における立場の様々なレヴェル(行政、反対・賛成する者、 いわゆる民俗社会の視点など)の多様性を視野に入れる。

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