井伏?二の??珍品堂主人?? 試論 - 珍品堂の失敗と世相 -
A Study on “Chinpindoshujin” by Masuji Ibuse
0
조회
0
다운로드
0
인용
0
참고문헌
초록
Abstract
珍品堂主人は、井伏のいわゆる「市井風俗小説」と呼ばれる作品群の一つである。本稿は、井伏文学における「市井風俗小説」の意義や作品に顕わになっている時代の気分を捉える作家としての井伏の目の機能を改めて確かめようとしたものである。この作品では、すでに高度成長期を終えて安定期に進入した昭和三十年代の全体的な風潮が一人の骨董狂の悪戦苦闘の構造に託されている。高度成長期にはその圧倒的な気運に覆われて見えなかった数々の矛盾が続々と社会問題として台頭する中、人情、義理、などと言った従来から人間の徳目とされてきた伝統的な価値観や常識が、金の前で徹底的に崩壊されて行く過程が克明に描かれ、金銭至上主義に走る社会の断面を井伏式に告発した「市井風俗小説」の代表的な秀作である。特に、これまで社会問題に対しては、やや傍観的だとされてきた作者の現実批判精神がかなり色濃く顕れれていることと社会の全般的な動きに素早い反応を見せたことで、一貫して庶民の日常から離れなかった井伏の作品世界が骨董という独特の素材によって一層多様化された点はこの作が収めた収穫であると言える。 珍品堂主人にも顕在化されているように、井伏の「市井風俗小説」の特徴は、通俗性や作品構成の破綻など、幾つかの問題点を抱えながらも、社会情勢やその動きに敏感に反応した、優れた時代意識に支えられていることにある。庶民の生活が余すところなく投影されているのが市井風俗であり、社会風潮やその気運の主役が一般民衆であることを想起すれば、井伏の「市井風俗小説」の有している時代感覚は、まさに庶民の生きた痕跡であると言って過言ではないだろう。井伏というフィルターを通してから顕れる世界は、過度な包装や作為的な美しさのない実際の現実に限りなく近い人間臭さのある世界である。そこに本物のリアリティーがあり、井伏の 「市井風俗小説」はそのリアリティーが有効に機能しているもっとも身近な空間と言って差し支えないのである。その意味で、井伏の「市井風俗小説」は、優れた時代性と独特のリアリティーに支えられている井伏文学の白眉と言えるが、その頂点に珍品堂主人は、位置づけられているのである。
참고문헌 (10)
- 平野謙, "平野謙全集 第十" (1957)
- 河上徹太, "人と文 現代文大系 43" (1966)
- 寺田透, "井伏二 日本近代文大事典 第一" (1977)
- 磯貝英夫, "井伏二 後の文 有斐閣" (1978)
- 中村明, "珍品堂主人 解 中公文庫" (1977)
- 大越嘉七, "珍品堂主人 文 解と鑑賞至文堂" (1985)
- 助川是, "井伏二の庶民 現代語究シリズ 11井伏二 書" (1985)
- 涌田 佑, "井伏二 有峰書店" (1985)
- 木美保, "珍品堂主人論 比治山女子短期大紀要 第23" (1989)
- 小森陽一, "井伏二の位相文 解と鑑賞 別冊 至文堂" (1989)
