日本語と韓國語の發想と表現に關する一考察 - 數量表現を中心として-
A comparative study on conception and expression between Japanese and Korea :focused on quantity
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Abstract
本稿では、日本語と韓国語の発想と表現について「表現構造論」的アプローチによって数量表現を中心に対照考察した。 両言語は類似点の多いことが認められているが、このような両言語であっても同様の場面で異なる表現がなされることがある。これは、両者の底層意味が同一であっても、各々の言語における発想と表現が相違していることによる。言語の表現と発想をテーマとする表現構造の先行研究は、名詞表現と動詞表現、自動詞表現と他動詞表現、受動表現と能動表現等の対立的な文法カテゴリーによってその特性が考察されている。 数量表現に関する表現構造の先行研究は、崔(1999)が日本語の単数表現傾向と韓国語の複数表現傾向を示したが、崔は複数を表わす接尾辞の有無のみにより単․複数を区別しいわゆる間接的複数表現は除外してあるため、限定的な考察であると指摘した。 本論では、日本語と韓国語の数量表現に関して、単数・複数表現、数量詞表現、数量述語表現の3つのタイプに分けた。まず、単数・複数の区分を、接尾辞等の有無だけによる単純な区分ではなく、接尾辞等によって直接複数が示される直接的複数表現と、接尾辞等がつかないが語彙的要素により複数が示される間接的複数表現に分けた。次に、数量詞表現について、従来、数詞+数別辞(数助詞)を用いた表現形式が一般的であるが、これら一定の数量を表わす形式の他に、「たくさん」「すべて」等の不特定の数量を表わす形式も不特定数量詞として扱うとした。これらの特徴は、類別辞がなく不特定の数量を表わし一般に価値判断を含んでいる。3つ目に、数量述語表現は、主に日本語の「多い」「少ない」、韓国語の「많다」「적다」等の数量を表わす述語によって表わされる文のことである。また、数量の変化を表わす動詞等も広義では数量を表わす表現になりうるが、これらについては今後の課題とした。 日本語と韓国語の数量表現の対照から、日本語は直接的複数表現よりも間接的複数表現を好み、複数であっても数を強調しないのに対して、韓国語は直接的複数表現に語彙的要素を加えて数を明確にする表現を好むことがわかった。また、数量詞を伴う表現では、物の数量を表わすのではなくある概念の状態を表わす場合に表現の相違が見られた。つまり、韓国語は「많이」「하나도」等の数量詞によってある概念の状態を表わすのに対して、日本語は「たくさん」「ひとつも」等を使うと不自然であり、一般に「たいへん」「少しも」等の程度副詞で表わす用例が多く見られた。総合すると、同様の事象において日本語が「数量」を示さない「程度性」の表現をとる傾向が見られたのに対して、韓国語では「数量」を明確に表わす「可算性」の表現傾向が見られた。
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