キリシタン版からみるキリシタンの単語学習-天草版平家物語;伊曽保物語のやわらげを手がかりに-
Christian’s Word Learning in the Early Christian Documents in Japan-based on the "YAWARAGE" of "Amakusa Feikemonogatari․Esopemonogatari"-
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本稿は、天草版平家物語⋅伊曽保物語のやわらげ(以下、合綴本のやわらげ)の分析をとおして当時のキリシタンの単語学習がどのように行なわれてきたかを明らかにしたものである。その結果をまとめると以下のとおりである。まず合綴本のやわらげの見出し語をみると、漢語が最も多くの部分を占めている。これはキリシタン達にとって漢語学習がかなり重要視されていたことを窺わせる。注解の形態をみると、「日本語見出し語」に対して「日本語注釈」が一番多くの部分を占める。次に「日本語注解+ポルトガル語注解」「日本語注解+日本語注解」「ポルトガル語注解」が並ぶ。ポルトガル宣教師たちが学ぶという面から考えると、「日本語注釈」が一番多くの部分を占めることは自然ではない形であるが、合綴本が日本語学習書の性格をもっていたので、日本語の意味をまず日本語で理解させる方法をとっていたのではないかと推測する。また、注解の形態が「日本語注解」のみではなく多様であったことは、日本語学習書という性格をもっていながらも学習者側にたって単語を理解させることを優先したからではないかとも判断する。注解の方法をみると、多様な方法を使って「日本語見出し語」を説明していたことが分かる。それは学習者側にたってできる限りその単語を学習者に理解させようとする合綴本の編者の方針が働いたのではないかと憶測する。 本稿は、合綴本のやわらげに焦点をあわせて考察を行なった。しかし、合綴本のやわらげの分析がより説得力を持つためには他のキリシタン版のやわらげとの関係や『日葡辞書』のような辞書との比較も必要である。これは今後の課題である。
참고문헌 (14)
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- 江口正弘, "天草版平家物語 対照本文及び総索引" (1986), 明治書院
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- 土井忠生解題, "日葡辞書" (1960), 岩波書店
- 土井忠生他, "邦訳 日葡辞書" (1980), 岩波書店
- 林巨樹, "現代 国語例解辞典 第二版" (1994), 小学館
- 林重雄, "天草版平家物語 伊曽保物語 言葉の和げ語彙索引(その一)", 石川工業高等専門学校紀要, (1) (1969)
- 林重雄, "天草版平家物語 伊曽保物語 言葉の和げ語彙索引(その二)", 石川工業高等専門学校紀要, (2) (1970)
- 林重雄, "天草版平家物語 伊曽保物語 言葉の和げ語彙索引(その三)", 石川工業高等専門学校紀要, (3) (1971)
- 林重雄, "『天草版平家物語伊曽保物語言語の和らげ』の見出し語の出所をめぐって", 石川工業高等専門学校紀要, (21) (1989)
- 林重雄, "『天草版平家物語伊曽保物語言語の和らげ』の見出し語をめぐって", 石川工業高等専門学校紀要, (22) (1990)
- 森田武, "天草版平家物語難語句解の研究" (1976), 清文堂
- 森田武, "邦訳 日葡辞書索引" (1989), 岩波書店
