近代国民国家における「国民」形成と秩序化される身体 - 植民地朝鮮における順従する身体を中心に -
The Nation Formation and the Body Ruled by Discipline in a Modern Nation-state - Focusing on the Obedient Body in Korea under Japanese Colonial Rule
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本研究の目的は従来歴史学・社会学研究で充分検討が行われていなかっ た植民地朝鮮における帝国日本の「国民」づくりと身体の規律化に迫り、その歴史的意味と特徴を実証的・総合的に解明することである。近代の国民国家においては、国民の健康状態が国力と密接にかかわるため、国家は国民の健康増進に配慮しなければならなかったが、特に20世紀に入り軍国主義が広まった時期に、統治者たちは国民の健康が国家の資産であり、富強な国家を作る核であると考えるようになり、国民たちの身体を国家の目的に相応しい形に変化させようとした。日本では、初代文部大臣に就任した森有礼が学校に兵式体操を導入しながら、規律・訓練的要素を取り入れていった。その後も、帝国日本は近代国民国家を形成する上で、軍人をモデルとした身体を形成するため、様々な規律・訓練的要素を国民たちの身体に刻み込もうとした。このような影響で植民地朝鮮においても、戦争を遂行するのに必要な軍人と労働力を安定的に確保するため、様々な身体管理制度が制定された。その一つが皇国臣民体操である。皇国臣民体操は剣道の基本型を繰り返すことによって、心身ともに強健な皇国臣民を養成することを狙いとしたものであった。この他にも、集団体操がラジオ放送と結びついて身体の規律化を図った「ラジオ体操」、国民総動員の一環として展開された「健民運動」が実施された。さらに、朝鮮人の日常生活の中で身体の等級化・規律化、そして集団的「練成」が大きな位置を占めた。このように戦時体制へと変化したことで朝鮮民衆は未来の軍人と労働者として教育されるのではなく、即刻に戦場に投入され戦力となりうる「軍人の身体」として訓練され、朝鮮民衆の体の管理と統制様式は根本的に変化したのである。
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