未醒の芸術活動-反意識と芸術的形象化を中心に-
The Russo-Japanese War and Kosugi Misei's Art Activity -Focusing on a Sense of Antiwar and Artistic Figuration -
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Abstract
日露戦争期の未醒の芸術活動を反戦意識の深化過程および芸術的形象化という観点に焦点を当てて 彼の画報及び詩篇と挿絵、そして反戦画を合わせて総体的な観点から日露戦争期の未醒の反戦芸 術活動を考察してみた。 日露戦争期の小杉未醒の画報通信員としての活動と詩人としての活動は互いに密接な相関関係を持 ちつつ展開される。画報通信員としての取材の現場を画稿に描き込める活動は大部分の場合は詩人の 創造的自我の活動を触発するきっかけに作用することになる。 未醒の反戦意識もまた画報通信員としての具体的な従軍体験を通して形成され、深化されたのである。 未醒の反戦詩は、未醒が従軍中に直接見て、体験したものを作詩の素材として書かれたものである ことが分かる。こういう点は日露戦争期の反戦詩人の中で、未醒が自分の独特な位相を持つことに なる重要な要素として作用する。 一方、未醒の反戦詩は戦争と関連して芸術家や芸術の意味を問いかけているという点で注目され る。未醒は日露戦争の多様な局面を体験しながら反戦芸術家としての明確な自己確立の契機を作るこ とになる。未醒の反戦詩篇が当時の反戦詩篇によくみられる悲憤慷慨調の戦争批判ではなく、作品の 芸術的な面を重視することができたのは、未醒の芸術家としての確固たる態度があったからである。 要するに、未醒の反戦詩篇は、実際の体験に基づいた強いリアリティを持ちつつ、同時に極めて芸 術化された形で形象化されていることがわかる。 「帰れ弟」から「髑髏搭の筆者」をへて「戦の罪」にいたるまでの各段階をへて深化し、拡大して いく未醒の反戦意識は、絵においては『陣中詩篇』の口絵の「戦後」や第5回太平洋画会展に発表 した「捕虜とその兄」に繋がっていくのである。
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