『蛇の歌』論―「蛇」と「ぬけがら」
The song of the snake
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초록
蛇信仰は古来日本民俗信仰に根強く生きていたものの一つとして、『記紀』やその他の資料にもしばしば登場している。作家の石川淳がかつて『新釈古事記』を書き下ろしており、蛇についての意味も認識していたはずである。氏は正史を疑い、偽史を作り上げ、それを正とする。所謂歪曲された人々の歴史を奪い返すことで真の歴史として正していくのが氏の文学における一つの仕事であった。政治や権力、そして秩序とかに対する嫌悪と抵抗による反俗精神がそれである。もう一つはこれと同一線上にありながら、人々の精神の自由への闘いである。輪廻や因縁や因果のような目に見えないものから束縛されている我々の精神の解放である。主に前者は世の立て直しとして、後者は精神の自由として描かれる。とはいっても二つは不可分の関係でもある。『蛇の歌』はここでいう後者に当たるものである。戦前における罪の意識を戦後如何に生きるべきかを問うている。換言すれば、戦前の日本的なるものの思想への否定と罪への意識、そして戦後の変わらぬ政治や経済中心主義が齎した疲弊した精神状態に一種の罪、或いは戦前的思想を見出している。故にそこから如何に脱け出すかということで、死と隣り合わせの脱皮、蛇の「ぬけがら」をもって新たに生きることを提示している。これは『天門』に於ても試された方法であるが、このときの作家の目はアジアに向けられており、ここでは世界へと飛び立っていく。要するに、この作品が未完で終わっているものの氏の意図しているのは、人々の精神を抑圧しているものから脱け出すことである。思想や政治や経済や秩序のようなものから自由であること、そこに真の人間の姿があるということを七重と小次郎の「まことの恋」に物語っている。
참고문헌 (7)
- 吉野裕子, "山の神", pp.24~71 (1989), 人文書院
- 吉野裕子, "蛇", pp.218~241 (1999), 講談社学術文庫
- 立 石伯, "魔法の杖―石川淳論", pp.260~262 (1990), オリジン出版センター
- 鈴木貞実, "月報16-『石川淳全集』" (1991), 筑摩書房
- 井澤義雄, "天門―石川淳の小説", pp.369~371 (1992), 岩波書店
- 石川 活, "晴れのち曇り、所より大雨", pp.198~207 (1993), 筑摩書房
- 日高昭二, "石川淳作品譜―処女作から絶筆まで―ユリイカ", pp.173~ (1998), 青土社
