後期国字本『どちりなきりしたん』の使用漢字 ─前期本との比較をとおして─
A Study of“KANZI” in “Doctrina Christan” of NAGASAKI Press -A Comparative Study of “KANZI” in “Doctrina Christan” of KAZUSA Press-
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本稿は、読み手への読みやすさをはかって改訂された後期本『どちりなきりしたん』の使用漢字の実態を明らかにして、キリシタン文字社会の特徴の一つを提示するものである。そのため、前期本『どちりいなきりしたん』の使用漢字をはじめ、他文献の使用漢字や現代漢字との比較を通して、後期本『どちりなきりしたん』の使用漢字の特徴を考察した。その結果、以下のような特徴が見られた。 ・後期本『どちりなきりしたん』は、全体的には漢字を効率よく使っていないが、高頻度漢字においては効率が高い。 ・後期本『どちりなきりしたん』にのみ使われた漢字は、漢字を極力減らそうとする方針とは相反するが、十分に漢字が読めない人に漢字学習をさせようとする方針によって使われたものである。 ・ジャンルや作品、時代が異なっていても後期本の上位漢字は、『徒然草』や御伽草子類の高頻度漢字を、同じくよく使っていた。 ・後期本『どちりなきりしたん』の使用漢字は、現代の実生活でよく使う「現代雑誌90種の漢字」と「現代新聞の漢字」の使用順位100位内の共通漢字とは、高い率で一致はしないが、常用漢字や教育漢字との一致率が高く、非常に基本的な漢字を多く使っていた。 このような特徴は後期本『どちりなきりしたん』の使用漢字には適用されるが、キリシタン版国字本全体の傾向とは言えない面がある。なぜなら、『ぎゃどぺかどる』は漢字含有率が40.5%(73113/180485)にものぼる反面、『こんてむつすむん地』は9.1%(7023/77101)に止まって、その差がはげしい。これはキリシタン版国字本が漢字使用において個別的な事情を含んでいることを示唆する。今後、他のきりしたん版国字本にまで範囲を広げて漢字を総合的に考察することを課題にする。
참고문헌 (13)
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