『源氏物語』の硏究現況と展望 「女の物語」論への多樣な視座
A Studies and a view of 「Genji-monogatari」- focusing on the various point of view for the 「tale of woman」theory -
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초록
最初にꡔ源氏物語ꡕを「女による、女のための、女の世界の物語」としたのは玉上琢弥である。玉上の影響でꡔ源氏物語ꡕを「女の物語」とする視点が源氏研究に持ち込まれるわけであるが、以後、「女の物語」論は玉上の論題が示唆しているように、A女の作った物語(創作)B女のための物語(享受) C女の世界の物語(主題)の三つの分野に分けられて行われてきた。 Aはꡔ源氏物語ꡕの作者の紫式部の性別が「女」であることを重視し、作家論的な立場と結びつけて論じられた。代表的なのが秋山虔の「女流文学論」である。伊勢日記→蜻蛉日記→源氏物語へとつながる「女流文学」の精神を積極的に発掘しようとした意欲的なものであったが、作者の悲劇的な実感とテクストの内部の「女の世界」を同一化した点と、その精神を男性中心の支配体制による「女性哀史」とした点は、現在はその実効性が疑われている。 Bの「女のための物語」論は玉上の音読論を批判する中野幸一の説によって多様化する。中野は物語の真なる読者は女房․殿上人、受領の奥さんなど中流女性であるとした。また、物語絵が女の玩び物ではなく権力者たちの権力回復、奪還、誇示にまつわるものであったことによって、ꡔ源氏物語ꡕを「女」のために、「女」だけが読むことを指す意味での「女の物語」論は解体されつつある。 Cの「女の世界の物語」(主題)の分野においては、女の世界を光源氏の栄華を補佐するために存在したり、光源氏と紫の上の栄華の栄華の物語に収斂するものとして捉えているのは森一郎があげられる。光源氏中心の典型的なものであり、ꡔ源氏物語ꡕの「女」の実状に接近しているとは思われないものである。 綜合的に検討した結果、これからの「女の物語」論の発展的な研究はBとCの領域において行われなければならない。Bでは中世の貴族女性、近代の女性作家、現代学校教育、女性のための文化センターでの享有実態を多様な方法論を用いて追及してみる必要がある。そしてCでは一夫多妻という結婚制度ではなく、女性のための制度(家族制度․国家統治制度)や言語(コミュニケーション)、身体に焦点を合わせることによって、「もののあわれ」を知り、「美しくて優雅な王朝の女性」というアプリオリによって隠蔽あるいは傍観されてきた 「女の世界」の実状に接近する研究が行われるだろう。 このような多様な研究が行われてからこそ、現在ꡔ源氏物語ꡕ研究において当然視され、それが支配的な認識になっている「源氏物語の文化=女の文化」という視覚は脱構築できよう。
