李箱「地図の暗室」を浮遊する“上海” -横光利一受容及びその他-
“ Shanghai "which floats in "the darkroom of the map" of Ree Sang ―Riichi Yokomitsu reception and others
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초록
本稿は1930年代に活躍した朝鮮半島の異色のモダニスト李箱の「地図の暗室」を取り上げ、これまでずっと見落とされてきた李箱における横光利一『上海』の受容を切り口にし、主にテクストの比較的考察により、李箱の“暗室”を浮遊する1930年代の国際都市“上海”の影を捉えながら、作品に対する新しい解釈を試みた。 結論として、李箱文学の起点をなす重要なテクスト「地図の暗室」は横光の『上海』に着想を得ており、横光利一的文明観に対する一種のアイロニー的発言であるいっぽう、「第一次上海事変」によりショック(挿入された中国語白話文が暗示されていたように)を受けた詩人の内面的困惑からの要請である、と指摘した。 さらに、童話的文体の混在に注目し、今後の課題として、次の3点を提示した。 1、李箱とエロシェンコ。「地図の暗室」は『上海』のほか、エロシェンコの代表作「時のおぢさん」などとの関連も考えられる。エロシェンコを代表とする平和主義・世界主義、そして童心主義思想に対する共鳴と保留、という矛盾的心情に関する研究が必要である。 2、李箱と金素雲。「地図の暗室」に見られる童話的文脈の混入を含め、金素雲の影響、とりわけ『児童世界』を編集する時期の李箱の活動の様相を掘り出さなければならない。 3、李箱と長谷川如是閑。如是閑は北東アジア文学が形成する過程において大いに働いた磁場であり、エロシェンコのほか、多くの文学者に影響を与えた。李箱における長谷川如是閑受容の位相、とりわけ『我等』との関連を明らかにすることが、李箱文学の広大な地平を拓く重要な課題と言えよう。 総じて、「地図の暗室」は東アジアが置かれている危機的情況に真正面から突入し、近代文明の構図を見極めようとした植民地に生きる若き表現者の野望と屈折の表象そのものであり、北東アジアにおける文学的表現と日本近現代文学との共振を示す格好のテクストである。 横光利一(及びその他)受容は李箱の文学的営為の軸を成す意義を有するいっぽう、北東アジアの表現者たちが同じ社会政治問題に国際的に遭遇するという体験を共有していたことを示している。時代的共通する課題と表現者らがそれぞれ置かれていた異なる境遇、そこにより生じる困惑と動揺こそが北東アジア現代文学の根底を成しているとも考えられよう。
참고문헌 (17)
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