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商品としての宗教的経験一巡礼産業の誕生と「宗教の資源化J一

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本論文の目的は、日本国内において巡礼ツアーを商品として提供する「巡礼産業」 の活動に関する調査事例を手がかりに、産業形態と民俗宗教との接合がし、かにして可 能になっているのか、人類学的に考察することである。人類学や宗教社会学など現代 宗教の社会的展開を考察対象にする研究分野においては、長年にわたり宗教の「世俗 化」か「再生jかという逆方向のベクトルをもった議論が交わされてきた。しかし近 年の「宗教の文化資源化J論はこれらの議論の超克を目指すもので、近代化や社会構 造の変化と共に、伝統的宗教制度や地域共同体なとー従来の社会的基盤を失った宗教的 要素が社会の諸領域に拡散した状況を把握しようとする。従来の基盤を遊離した宗教 的なシンボルや言説は、医療や国家機構など新たなるアクターによって対象化され、 それぞれのアクターの意図に沿って積極的に活用されている。 本論はこのアクターとして、ここ30年の聞に急速な発展を見た、市場経済原理に基づく 巡礼産業を設定し、その成立はし、かなる社会的条件下において可能になったのか、ある いはローカルなレベルでどういった「資源イ七Jを行い、顧客としての巡礼者を獲得して いるのか、ミクロな分析を通して明らかにしてしく。

Abstract

本論文の目的は、日本国内において巡礼ツアーを商品として提供する「巡礼産業」 の活動に関する調査事例を手がかりに、産業形態と民俗宗教との接合がし、かにして可 能になっているのか、人類学的に考察することである。人類学や宗教社会学など現代 宗教の社会的展開を考察対象にする研究分野においては、長年にわたり宗教の「世俗 化」か「再生jかという逆方向のベクトルをもった議論が交わされてきた。しかし近 年の「宗教の文化資源化J論はこれらの議論の超克を目指すもので、近代化や社会構 造の変化と共に、伝統的宗教制度や地域共同体なとー従来の社会的基盤を失った宗教的 要素が社会の諸領域に拡散した状況を把握しようとする。従来の基盤を遊離した宗教 的なシンボルや言説は、医療や国家機構など新たなるアクターによって対象化され、 それぞれのアクターの意図に沿って積極的に活用されている。 本論はこのアクターとして、ここ30年の聞に急速な発展を見た、市場経済原理に基づく 巡礼産業を設定し、その成立はし、かなる社会的条件下において可能になったのか、ある いはローカルなレベルでどういった「資源イ七Jを行い、顧客としての巡礼者を獲得して いるのか、ミクロな分析を通して明らかにしてしく。

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