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『宇津保物語』から『源氏物語』へ -〈才〉の一考察 -

From Uthuho-monogatari to Genji-monogatari -A study of <talent>-

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주제분류일본어와문학

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Abstract

物語の主人公は、光る容貌を兼備した万能な人物として描写されており、必ず言及されているのが、君子の教養の必須条件としての漢才と楽の才である。  本考察では、『宇津保物語』と『源氏物語』を中心に、男女の美質としての才の機能をはじめ、「左琴右書」という楽と漢詩の〈才〉をめぐる礼楽思想と文章経国の聖代観、そして、両作品に見られる才の教育と価値観の相違を追求してみた。 『宇津保物語』では男の教養として漢才と楽の才とが平行しながらも、〈琴の物語〉を語っていく俊蔭一族をめぐっては、「学士の師」か「琴の師」か、そして「累代の博士の家」か、「琴の家」かのような、二つの才が対峙している。さらに、女性の教養においても、『源氏物語』とは異なって漢才の記述がなく、楽の才のみが強調されるのは、『宇津保物語』における女たちの楽の才が教養というより、政治権力への接近の手段として用いられている傾向が強いからである。すなわち、『宇津保物語』で、「天人」から伝授され、天地を動かすほどの神秘的な力をもつ俊蔭一族の琴の才は、彼らを栄華に導く役割をはたしているのである。  一方で、『源氏物語』における『宇津保物語』の批判論からは、両物語における〈才〉の価値観の差が示されており、その価値基準の変化は、『宇津保物語』から『源氏物語』へという〈音楽の物語〉の受容と変容関係において生じるものである。つまり、芸術至上主義である『宇津保物語』とは異なって、一芸に秀でるということは、むしろ欠点であるという『源氏物語』の〈才〉に対する認識は、音楽の才は教養の一つに過ぎないという価値観を示しており、それは、紫式部の価値観でもあった。  また、『宇津保物語』と『源氏物語』に語られている〈才〉の特徴は、高麗、唐土という異文化の受容であり、それは、平安朝における〈才〉の文化論として追求すべき問題である。

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