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日本における民法典の継受 - ボワソナード自然法論との関連

La réception du Code civil au Japon : analyse de l'idée de Boissonade sur le droit naturel

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초록

日本ではこの50年来、民法の継受に関する研究が盛んになされてきており、近年もその広がりは増大しつつある。しかし、法典借用期や旧民法編纂の意義について、さらに検討すべき課題が残されている。本稿においては、旧民法の起草者であったボワソナードの自然法観念を素材として、法典編纂とはいかなる現象であったのかを再検討する。 一方で、ボワソナードの一連の自然法講義を見ると、彼は自然法に次のような特色を見いだしていたことがわかる。①社会規範・行為規範としての法、②生成的な性質を持つ自然法、③民法の基本原理としての自然法、④実定法に体現されるとともに、実定法を方向づける自然法。 他方、ボワソナードの旧民法草案解説や理由説明を見ると、自然法に関する総論的な説明はないものの、各論的な議論の中に、次のような観点を見いだすことができる。⑤義務には自然法上の義務と実定法上の義務とがあること、⑥実定法上の義務にも、即時的な効力(道徳的な意味)と後発的な効力(強制力)があること。 法典編纂は、在来法を継受法によって置き換える試みとして理解されることが多いが、ボワソナードが導入しようとした民法典は、実定法と自然法の複合体であった。そして、そこには19世紀フランス型民法典の体現する社会思想が含まれていた。21世紀における再法典化(たとえば債権法改正)の過程において、私たちはこの思想をいま意識的に再継受するかどうかを自問しなければならない。

Abstract

Depuis cinquante ans jusqu'à nos jours, la réception du droit civil est beaucoup étudiée au Japon. Mais il reste encore des sujets à discuter, dont les deux me semblent importants : l'application de facto du Code civil français avant la codification, et le Code civil de 1890 en tant que premier code inspiré du droit européen. Dans cet article, nous réexaminerons le phénomène de codification en analysant l'idee de Boissonade, rédacteur du premier code civil japonais, sur le droit naturel. D'une part, nous pouvons trouver dans un série de cours donnés par Boissonade sa conceptiton sur le droit et le droit naturel: 1) le droit en tant que règle social et règle de conduite, 2) le droit naturel de caractère évolutif, 3) le droit naturel en tant que principe général du droit civil, 4) le droit naturel qui se présente dans le droit positif et le guide eventuellement. D'autre part, nous ne pouvons trouver dans ses Projet et Exposé des motifs du Code civil japonais aucune explication générale sur le droit naturel. Mais il nous serait possible, en lisant les expliations données sur les certains articles, de présenter sa pensée à la manière suivante : 5) il y a deux sortes d'obligations : obligations naturel et positive, 6) il y a aussi deux sortes d'effets du contrats, effets immédiat (simplement moral) et ultérieur (avec l'exécution forcée). On traite souvent le phénomène de codification comme une essai de remplacer le droit coutumier préexisant par le droit écrit reçu. Mais le code civil que Boissonade avait essayé d'introduire au Japon est un ensemble des droits positif et naturel. Cette code comprenait la concepiton sur la société que le Code civil français avait diffusé au cours de 19e siècle. Et au éebut de 21e siècle, où nous essayons de réaliser la recodification par exemple dans le domaine du droit civil des obligations, nous devons se demander si nous recevons de nouveau, cette fois-ci explicitement, cette idée ou non.

참고문헌 (27)

  1. "民法", (droit civil
  2. 星野, "日本民法典に与えたフランス民法の影響 民法論集第1巻" (1970), 日本法学の歴史と理論
  3. につき, "大久保泰甫・日本近代法の父ボアソナアド(1977)、星野 「日本民法典及び日本民法学説におけるG・ボアソナードの遺産」民法論集第8巻(1996)、大久保泰甫=高橋良彰・ボワソナード民法典の編纂(1999)、池田真朗・ボワソナードとその民法(2011)など、②につき、星野 「日本民法学の出発点―民法典の起草者たち」民法論集第5巻(1986)、瀬川信久 「梅・富井の民法解釈方法論と法思想」北大法学論集41巻5=6号(1991)、岡孝 「明治民法と梅謙次郎」 󰡔法学志林󰡕88巻4号(1991年)、①②にまたがるものとして、吉田克己 「二人の自然法学者―ボワソナードと梅謙次郎」法律時報71巻3号(1999)など、③につき、岩谷十郎・明治日本の法解釈と法律家(2012)など、④につき、海老原明夫 「ドイツ法学継受史余滴」ジュリスト927号~999号(1989-92)など。", ~ (1977)
  4. "少し前のシンポジウムで、私は 「民法小説」と題された一群の小説の存在に注目すべきことを説いたが(「明治期日本における民法の受容」2010年10月、法制史学会〔日本〕国際シンポジウム)", 最近では、民法制定の際に、いくつかの新聞(朝日新聞・新潟新聞など)が別冊を作成してこれを報じたことに気づいた, ~
  5. 司法省, "ボワソナード講述、井上操筆記" (1986), 信山社
  6. "ボワソナード・注5)4頁、5頁。引用文中の句読点やふりがなは大村による。なお、原文はカタカナ書きであるが、ひらがな書きに改めた", 以下の文献引用・条文引用においても、同様である, ~
  7. "法政大学のHP 「法政大学の歴史」中の 「日本近代法の礎・ボワソナード」を参照"[URL]
  8. "ボワソナード・注5)8頁", 引用文中の 「ドロワナチュレル」はボワソナード自身によるもの, ~
  9. "①a~dは同一の講義に関するものである。すなわち、①aは同講義の序論部分をボワソナード自身がフランスの法律雑誌に発表したもの、①bは関口による部分的なノートであり", 、①cdは井上による講義録である。なお、①bと①dとでは訳語などが改められている, ~
  10. "ローマ法が欧州各国にとって 「書かれた理性」であったが、フランス法は日本などにとって同じ役割をはたすとされている(ボワソナード・第2回法律大意講義6頁)", ~
  11. "①では 「余は仏朗西(フランス)法を多く引用せんことを欲せり。而して余屡は法朗西法を称誉することありと雖(いえど)も又た時としては之を非議することなきにあらす」とされている(司法省版・性法講義22頁)。また、②では、 「仏国法と其他の法律とを問はす苟(いやしく)も其中に存する条文にして無形の条理に適合するものあれは其条文を無形の条理其ものと看做し之を実際に施すことを得るや—や」を研究することが第一の主眼であるとされている(ボワソナード・性法講義完32頁)", ~
  12. "以下、本節では、司法省版・性法講義と法律大意講義完から引用するが、引用にあたっては、本文中に括弧書きで(①c○○頁)、(②○○頁)のように記載する", ~
  13. 星野英一, "時効に関する覚書 民法論集第4巻所収がその典型例"
  14. 池田, "第1章 「自然法学者ボワソナード」・第2章 「ボワソナード 󰡔自然法講義(性法講義)󰡕の再検討」を参照", ~
  15. 星野は, "「法律」と 「法」とを区別し 「法」を広くとらえるが、そこでの 「法」はボワソナードのいう 「性法」を念頭に置いている(星野 「󰡔法󰡕と󰡔法律󰡕の区別について」民法論集第7巻〔1989〕)。", ~ (1989)
  16. "ボワソナード自然法論はレッセ・フェールの思想に過ぎないとするマルクス主義法学の立場からの批判があるが", 池田はこの批判を半ばは容れつつも、ボワソナードの議論の原理性に注目している(池田・前出注3)48頁以下), ~
  17. この点に, "目して、明治8年太政官布告103号裁判事務心得の第3条 「民事ノ裁判ニ成文ノ法律ナキモノハ習慣ニ依リ習慣ナキモノハ条理ヲ推考シテ裁判スヘシ」にいう 「条理」とは 「自然法」のことを指すとの見解もある", 明治初年におけるフランス法研究, (1), pp.57~ (1961)
  18. 池田, "37頁以下。ただし当時は、今日のような法学(民法)入門は未だ成立していない。その意味では、ボワソナードの講義は先駆的なものであると言える。また、「性法講義」の内容は法学入門というよりは民法概論の色彩が色彩が濃いが、この点は 「法学(民法)入門」論にわたるので詳説しない。", ~
  19. "草案解説」とは、Projet de code civil pour l'Empire du Japonのことを、「理由説明」とはCode civil de l'Empire du Japon accompagné d'un exposé des motifsを指す。両者の日本語訳として 󰡔註釈民法草案󰡕 󰡔民法理由書󰡕がある。これらの資料はいずれも名古屋大学のHP 「明治期の民法の立法沿革に関する研究資料の再構築」"[URL]
  20. "旧民法財産取得編第4章 「自然債務」(562条~572条9)", ~
  21. たとえば, "星野・民法概論Ⅲ", 31~ (1978)
  22. "以下、本節では、「理由説明」のフランス語版を引用するにあたって、本文中に括弧書きで(Exposé, p.xxx)と記載する。また、井上正一・民法正義財産編第二部巻之一(新法註釈会、1892、復刻版、信山社、1995)からも引用するが、こちらも(井上○○頁)と記載する。なお、本文で述べた2点は、私が現在行っている講義「旧民法から見た新債権法」に由来する(少し先に公刊の予定)", ~ (1995)
  23. "以上は論理的な筋道を述べたものであり、実際には、370条3項によって385条が準用されている。しかし、これはあくまでも「準用」であり、385条の本来的適用以前に、このルールを。りて損害賠償の範囲を定めているに過ぎない", ~
  24. "広中俊雄・新版民法綱要第1巻", これらを 「基底的諸規範」と呼んでいる。なお、この点に関連して、大村 「広中俊雄の民法体系論」法律時報2015年8月号(近刊)を参照, ~ (2006)
  25. さらに言えば, "④学識法としての民法を加える必要がある。20世紀の日本民法学における学説空間は", ある意味では、第三の 「自然法」のすみかであったとも言える, ~
  26. "「自然法(じねんほう)」という言葉は、イザヤ・ベンダサンが用いたとされる", 星野 「民法学習の入門」民法論集第5巻, ~
  27. "この問いに答えるためには、本報告の冒頭で言及したもう一つの視点、社会現象として法典継受をとらえる視点が有益であるように思われる。具体的には、民衆による受容状況の確認や法典論争の見直しが必要であろう。本文の用語法を用いるならば、前者は自然(じねん)法と自然(しぜん)法の混和、後者は自然(じねん)法の貫徹と自然(しぜん)法への関心という観点から分析できる", ~

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