大江健三の「革命女性」論 ―その劇的想像力の世界―
Kenzaburo Oe's "Revolutionary woman" theory
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Abstract
大江健三郎には東大在学中、学生演劇脚本として書かれた数編の戯曲作品があるが、文壇デビュー後活字化されたのは「動物倉庫」(「文学界」57.11)が唯一のものである。「奇妙な仕事」(「東京大学新聞」57.5.22)がデビュー前書いた戯曲「獣たちの声」(56)を小説化した作品として知られているように戯曲を小説化した例は見られるが、「革命女性」は小説『河馬に噛まれる』(文藝春秋、85.12)を戯曲の世界で再構築した例となる。本稿は「革命女性」の劇的想像力の世界について考察したものである。「革命女性」は70年代に過激派集団による一連の事件、つまり連合赤軍の浅間山荘事件と日本赤軍の国際的なハイジャック事件を背景にしている。2001年日本赤軍最高幹部重信房子の逮捕をきっかけに30年を経過した時点で改めて戦後史の中で赤軍派を再検討しようとする動きも現れた。このように浅間山荘事件に関する様々な言説と社会現象のなか大江の「革命女性」が持つ独特の世界はいかなるものなのか、「革命女性」のプレ・テクストとの連動関係を探り、ジャンルにおける異化によってテクスト空間はいかに変化してゆくのか、を大江の文学的・神話的想像力と歴史認識という側面から考察する。70年代後半以降顕著な大江の〈神話形成〉的態度はこの作品においてもよく現れており、『河馬に噛まれる』のような先行テクストをジャンルにおける異化と宮沢賢治の引用によって政治・思想のイデオロギーに代わる文学的想像力を生みだしている。そして文学的想像力の中で否の歴史を正の歴史へ、男性中心の革命を女性中心へ、というふうに多様な解釈の可能性を提示していることを明らかになるだろう。
참고문헌 (11)
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