北原白秋『思ひ出』における<異界>幻想
A fantasy of the different world in "Memory" by Hakusyu Kitahara
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초록
『思ひ出』の世界は、詩的話者の<思ひ出>という情緒に向かって、多種多様な角度から投げかけられた多彩な表現で埋め尽くされている。その形象化された世界は表現のレベルにおいて、いわゆる当時隆盛していた自然主義リアリズムの作風とは質の異なる不可思議世界の造形と言ってよく、白秋初期の特徴とされる情緒象徴詩、あるいは色彩を大胆に使った印象派的な感覚詩の作風を表している。 本稿では『思ひ出』において、廃れゆく故郷と、没落した家を重ねつつ愛惜の情を寄せながら、白秋の内なる「郷里柳河」の情景を反近代的な死の風景として形象化した異界として捉え直した。それを、具体的には「わが生ひたち」の情景、「生胆取」「骨牌の女王」「願人坊」といった架空の存在、さらには、「青き甕」の幻想形象などの内に見た。 すなわち、『思ひ出』は従来論じられてきたように異国情緒の産物であるということは当然として、その枠に収まりきらない異界的な要素を差し挟んでいるわけだ。後に、白秋は「童心」という詩における指標を訴えるにいたるが、この概念などは、異界を怖れおののきながら感知する感受性にも通じているであろう。 異界は日常生活に奥行を与えるという指摘があるが、それは「私たちの世界」、日常生活の陰の部分、裏側の部分を構成している。じつは人々の日常生活は・世界は異界がなければ成立しないのであるが、近代化へと向かう明治末期において、このような異界を描いた詩的世界が多くの人々の心も捉えたことからも、近代化という光に対して、反近代的な陰の部分がどうしても必要であったのであり、そのようなベクトルに白秋は自らの美意識を注いだのであった。
참고문헌 (16)
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