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井伏鱒二初期作品一考察 - 『朽助のゐる谷間』をめぐって -

A study on Masuji Ibuse's early works

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주제분류일본어와문학

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『朽助のゐる谷間』、この物語は國家的次元の工事のため、絶對權力に翻弄されている老人の悲劇が井伏式タッチで、巧妙に描かれた初期の秀作である。さらに、時代的な背景を勘案してプロレタリア文學の影響もあると考えられてきたことも事實であり、朽助の心境の変化を辿っていくと結果的に自然主義的要素も含まれている。  井伏は、朽助の多大なる信賴を受けている「私」をナレーターとして設定することで、作品の進行に重要な役割をつとめる役柄を担わせている。これは單なるナレーターに止まる役でなく、作品の展開に積極的に關与しない井伏文學特有の登場人物の出現であり、私小說の「私」とは全く異質的な性格の「私」である。以後、井伏の文体の獨特さは、新たな機能が付与された「私」を通して現實を認識し、徹底した客觀的寫實に基づいて具体化されて行く。  『朽助のゐる谷間』のなかでも、作者は古い備後地方の方言を丹念に選り分け、地方の方言に古風な味を与えている。情趣あふれる懷かしさともいえる、忘れかけていた奧深さを蘇らせることに成功したといえるだろうが、井伏の文体のテクニックはまさにここから始まったと言っても過言ではない。そういう意味から考えて見ると、私小說的「私」への決別、新たな「私」の誕生とその確立の道程は、1930年代の井伏の文學的營爲と深く關わってくる。  視点を自分の悲しみから庶民、農民たちに移し、彼らの日常生活の喜悲劇を、以降の創作活動の主なモチーフにした井伏の獨特の作風の成立は、『朽助のゐる谷間』からその可能性を見せ始めたといっても差し支えないだろう。

참고문헌 (6)

  1. 東鄕克美, "くつたく」した「夜更け」の物語─初期井伏?二について─", 成城國文學論集, 13 (1981)
  2. 松本武夫, "井伏?二『朽助のゐる谷間" (1990), 明治書院
  3. 藤本千鶴子, "井伏?二の方言硏究─ 朽助のゐる谷間 の場合─" (1984), 溪水社
  4. 崎文夫, "井伏?二の言葉─初期作品における?言葉のざわめき?についての一考察─" (1996), 文社
  5. 武田信明, "差異の耳差異の舌" (1998), 至文堂
  6. 橫山信幸, "井伏?二と常民─「朽助のゐる谷間」「川」を中心に─" (1984), 溪水社

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